イチローが道具を大切にすることと精神性の高さ
物を大切にする人。
道具に愛情と尊敬を込めて接する人。
そういう人から受ける印象は
「精神性の高さ」です。
物や道具を大切に扱っている人に対して
人間は直感的に
「この人は成熟した人間である」
と感じます。
その逆もまたしかり。
物を粗末に扱ったり、乱暴な所作の人を見て
他者が判断するのは、その人間の「幼稚さ」であり「精神性の低さ」です。
物や道具への態度は、人間や人生に対する姿勢と直結するからです。
愛情や敬意、慈愛、大切に育んでいく心。
その有無は必ず日常の物や道具に対する態度に現れます。
イチローがバットやグローブ、スパイクなどを大切に扱うことは
有名な話です。
また、イチローは四球などで出塁する際にも、他のメジャーリーガーのようにバットを放り投げたりしない。優しくバットを横たえる。そして、打てない時にも怒りに任せてバットに八つ当たりすることは絶対にしないと、記事では伝えている。
「バットを大事に扱わないことがあるでしょうか。これは自分たちの商売道具です。このバットを作ってくれた人たちのことを考えれば、このバットを作るための彼らのに労力を考えれば、どれだけ無礼なことなのかわかるでしょう。もしも、バットを放り投げたら、皆さんいい気分はしません。彼らも次の時には最高のバットを作ろうとはしないでしょう」
物に対する態度、道具に対する接し方。
そこに人間の成熟度、精神の在りようを観ることができます。
それは万物に仏性が宿るという仏教の教えや
日本古来のアニミズムやあらゆるものに「道」を見出す
精神的文化の土壌と無縁ではない気がしています。